お知らせ・コラム

NEWS・COLUMN
2019.10.08

コラム

英語学習で音読を推奨する教材の利点と欠点

音読は、語学学習においてスピーキング・ヒヤリングの習得に欠かせない学習法の一つです。音読を推奨する教材や勉強法も多くあります。今回は、音読を推奨する教材や勉強法の利点と欠点を解説します。

音読を推奨する教材

2001年に出版された「英会話・ぜったい音読」入門編(國弘正雄編者、千田潤一トレーニング指導、講談社パワー・イングリッシュ)は、音読をテーマにした英語教材でベストセラーになりました。この教材は、中学校で使われている教材を集めて、その教材を何度も何度も音読することを勧める教材です。國弘正雄先生は、同時通訳者として、また、東京外語大学で教鞭をとられた英語のスペシャリストです。
この「英会話・ぜったい音読」入門編では、中学英語が基礎を作るために、重要であると指摘しています。私たちも、ネイティブスピーカーになるためには、この音読は極めて重要な要素のひとつとして位置付けています。また、中学英語の1500語が重要な点であることも一致しています。しかし、この本には、どうして音読が重要な要素になるのかの理由が書いてありません。また、どれだけ音読すればいいかということについても説明が明確にはされていませんでした。私たちが音読を勧める理由は、瞬時に無意識のうちにネイティブスピーカーが英語を使えるようになっているような状態にするために必要だからです。また、音読する回数もそれに沿ったものでなければなりません。そのため、音読する目的が、瞬時に無意識にできるまで行う必要があり、そうなるまで、何度でも行う必要があると考えています。

音読だけでは応用が利かない、中学英語だけでは日常で使わない英語が入っていることがある

音読だけを推奨する勉強法には2つの欠点があります。「英会話・ぜったい音読」入門編では、中学1年生、中学2年生の教科書から、この著者の先生方が適切だと思うものを選んで、その教材を何度も音読することを勧めています。何度も音読することは重要ではあるのですが、同じ文章だけ音読していても応用が利きません。なぜなら、与えられた文章の音読だけで英作文をしないので入れ替えができないからです。中学の教材を参考にして作られていますが、この教材の中にない文章に出会うとその文章に対応できず、応用が利かないのです。私たちはこのことを「文章の固定化」と呼んでいます。これでは、ネイティブスピーカーのように自由自在に文章にできるようになりません。私たちはこの「文章の固定化」を打破するために、一定の基本文を音読して、そして、その後、この基本文を基本にして入れ替え、英作文をしてそれをさらに音読するように勧めています。こうすることによって「文章の固定化」する欠点を克服しています。
また、もう1つの欠点は、その内容にあります。中学英語の教科書は、考え抜かれて作ってあると書いてあるのですが、この教材の中身は、日常生活と直接に関係ないものが入っていることがあります。たとえば、シドニーのこと、イギリスのこと、アイヌのことなどいろいろなことに興味を持ってもらうことを考えているのかもしれませんが、日常生活に使う英語が扱われていません。中学生用の教科書はこのような傾向が多くあります。私たちは、まず重要なことは、日常生活で最も使われる会話を練習することだと考えています。その意味で、そのような日常生活で最も使われる会話だけを厳選して勉強することを勧めています。そのメリットは、すぐに使えるため、実践の英語ですぐに役立つということです。以上のように、音読と中学英語1500語はとても重要なポイントではありますが、「英作文を行うこと」と「日常会話を学習すること」の2点を補足することが、ネイティブスピーカーのようにスピーキング・ヒヤリングするために必要です。

今回のまとめ

音読は、スピーキング・ヒヤリングの上達に重要な英語の学習法です。しかし、同じ文章を音読しているだけでは「文章の固定化」が起こり応用が利きません。その欠点を克服するためには、英作文を合わせて行うことが必要です。また、音読する内容は出来るだけ日常会話でよく使う内容で、出来れば一問一答にするとそのまますぐ会話で使えるのでお勧めです。