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2019.10.07

コラム

ネイティブスピーカーと同じ英語のネットワークを作るための条件とは何か

ネイティブスピーカーはどのように言葉を習得するのでしょうか。また、私たちが言葉を習得するためには何が必要なのでしょうか。今回は、ネイティブスピーカーの言葉のネットワークとそれを作るための条件を考えてみます。

ネイティブスピーカーはイメージと言葉の音の世界で言葉を習得する

ネイティブスピーカーは、赤ちゃんとして生まれ、成長するにつれて言葉を覚えていきます。例えば、パパ、ママ、じーじ、ばーば、マンマなど実際の映像と言葉を結び付けて覚えていきます。これは、映像と言葉の音だけの世界です。また、ぶーぶが車になり、ぶーぶが速い、遅いなど、マンマがごはんになり、舌の感触などと結びつけて、甘い、しょっぱい、苦いなどの言葉を覚えていきます。徐々に映像のない抽象的ことも少しずつ覚えていきます。そして、最終的にはイメージと日本語の音の世界を築き上げていきます。
私たちは、5歳児くらいの子どもの言葉の能力に注目しています。なぜなら、これが、ネイティブスピーカーの原点だからです。この5歳くらいの子どもは、私たちが想像する以上にいろいろなことをしゃべることができます。日常的な質問なども大人と同じくらい受け答えができます。たとえば、今日何時に起きた、今日朝何食べた、何が好き、今日幼稚園にいく、誰と行くの、幼稚園に好きな子いる、先生は好き、どんな漫画が好きなど比較的簡単なことなら何でもできます。しかも、大人と同じように瞬時に、無意識に何も考えずに答えることができます。また、子ども用の漫画は理解できています。おそらく、ほとんど大部分理解できているでしょう。そして、もちろん、大人になるにしたがって、知識も語彙も増えてきますがこれを大人になっても、生涯にわたって使い続けます。ネイティブスピーカーは、この子どもの時にその基礎を作ってしまいます。ここに言葉をしゃべったり、聞いたりする原点、中核があります。私たちは、この1500語くらいの言葉の基礎の部分を作ることが英語の習得には必要であると考えています。

ネイティブスピーカーはイメージと言葉の音を接続させて会話できるようになった後に文字を覚える

私たちは、日本語である程度話せるようになった後、次に幼稚園や小学校に通って、文字を覚えます。このとき、日本語の音と文字をくっつけて覚えていきます。そして、文字とイメージを接続させます。これにより文字を読んだときにイメージを思い浮かべるようになります。また、持っているイメージを文字にすることができるようになります。私たちは、言葉をしゃべったり、聞いたりするときに瞬時に無意識に何も考えずに行える場所を言葉をつかさどる場所と名付け、文字を読んだり書いたり何か考えながら作業を行う場所を考える場所と名付けています。以上のように私たちの日本語は、自分の持っているイメージと日本語の音と日本語の文字が正確に結びつき、さらにそれぞれの場所で正確に扱うことができる日本語の言葉のネットワークを持っています。裏を返すと、このネットワークを持っているがゆえに、言葉を瞬時に無意識に自由自在に扱うことができます。

英語を習うときは英語と日本語の文字を並べて意味を理解するところから入らざるを得ないためネイティブスピーカーと同じ英語のネットワークを作ることが難しくなる

私たちは日本語の文字を習った後、英語を習います。このとき、通常は、最初に日本語の文字と英語の文字を関連づけて覚えます。車=car,机=deskなどです。これは、英語の意味を知るためにはこのようにせざるを得ないからです。このとき音ではなく文字を並べて意味を理解するところから入らざるを得ないため、【イメージ―日本語―英語】のようになります。このように覚えていくと英語に接した時に日本語を思い浮かべます。すなわち、英語を日本語に翻訳するという作業をしてしまいます。そして、この英語を聞いたときに英語の文字か日本語を思いうかべるようになってしまうのです。そして、このような【イメージ―日本語―英語】のシステムを作り上げ、これを使って英語を理解しようとします。また、この英語を学んだ時に、一部の英語の発音を覚えます。しかも、この発音は正確なものではなく、でたらめなものがたくさんあります。これは、全部ではなく、一部だけです。しかも、正しいものでも聞きとれる英語の音だけで、発音ができないものがたくさんあります。その結果、英語の発音を間違って覚えたときは、その時点で撃沈されます。仮に正確な発音ができ、英語の音を正しく聞けたとしても、英語の文字を思い浮かべるか、日本語の文字を思い浮かべることになってしまいます。
このように、私たちが習う英語は、日本語の文字、日本語の音、英語の文字、英語の発音(聞ける発音、しゃべることができる発音)、文法などが入り交じり、ごちゃごちゃになって知識として考える場所に存在します。それは、【イメージ―日本語(日本語の音、日本語の文字)―英語の文字―英語の音】のようになっています。したがって、私たちが日本語を聞いたときにイメージをうかべたり、イメージを日本語にするように英語がイメージと結びついておらず、さらに、それが考える場所にあるので、英語を瞬時に無意識に使えず、考えながら英語を翻訳するという作業をしてしまうのです。

英語を習得するためにはネイティブスピーカーと同じ英語のネットワーク(システム)に作り直す必要がある

以上のように、私たちは母国語ではスムーズにイメージと日本語の音と文字を順番に接続させて正しい日本語のネットワークを作れたのにも関わらず、外国語ではスムーズに外国語のネットワークを作れず、文字、音、イメージが正確に結びついておらずごちゃごちゃになっているところに外国語の習得を妨げている最大の要因があります。そのため、私たちが英語を習得するためには、日本語を切り離し、イメージと英語の音と文字を正しく接続して、ネイティブスピーカーの赤ちゃんと同じようにイメージと英語の音と文字が直接接続された英語のネットワークに作り直すことが必要です。

ネイティブスピーカーと同じ英語のネットワークを作るための勉強法の条件

では、何をすることが必要なのでしょうか。ネイティブスピーカーと同じ英語のネットワークを作るための条件をまとめると次のようになります。

①  瞬時に無意識に何も考えずに話せる
②  翻訳しない(日本語と英語を切り離す)
③  イメージと英語を接続できている 
④  自由自在に組み合わせができる
⑤  テキストをできるだけ易しく
⑥  5歳児のレベルをまず作る
⑦  英語の音とイメージだけで作る(日本語の音や文字、英語の文字と切り離す)
⑧  考える場所から言葉をつかさどる場所に移動する
⑨  イメージと英語の音を正確に接続する
⑩  あらゆる組み合わせが瞬時にできる(使える英語)
⑪  日常会話が網羅されていること
⑫  文法が文章の中で使われていること

これらの条件がすべて満たされていないとネイティブスピーカーと同じ英語のネットワークができません。これが、これまでネイティブスピーカーになるための正しい勉強法が考えられなかった理由です。次元の異なるいくつかの条件を完璧に満たさないとネイティブスピーカーになることができないのです。私たちは、この条件を満たすために、音読と英作文、さらには基本の日常会話1500語を徹底的に何度も繰り返すことでネイティブスピーカーと同じ英語のネットワークを作る英語の勉強法を勧めています。

今回のまとめ

ネイティブスピーカーは言葉のネットワークを持っています。それは自分のイメージと言葉の音と文字が正確に結びついています。外国語を習得する場合も、同じように自分のイメージと外国語の音と文字を正確に結びつけて外国語のネットワークを作る必要があります。そのためには、正しく勉強法を位置づけ、それを作るための学習を行う必要があります。